もし君が勝つためのプレイをしたいのてあれば、必要なのは相手をプレイするということだ。君がやるべきは相手が継続的に犯しているミスを特定して、そういうミスを繰り返し犯すような状況に相手を追い込むことなのだ。
ポーカー掲示板を見ていると、LAGスタイルてプレイするにはどうしたらいいかと質問する投稿を僕はよく目にする。LAGとはルースアグレッシブ (loose-aggressive) の略で、そういう質問をする人は、ルースアグレッシブなプレイヤーはTAG (tight-aggressive) プレイヤーよりも大きく勝っているのだと考えている。
基本的に彼らは、ABCプレイを足がかりとしてそこからさらに上達出来るはずだと考えており、彼らにとってのその答えがLAGなのだ。卓越したノーリミットホールデムプレイヤーがとてもルースにプレイしており、それで高い勝率を収めているケースが多々見られるというのは事実だ。
たがそこでのカギはルースなプリフロッププレイというスタイルそのものではない。プリフロップでひどい手をプレイすることは常にハンディキャップとなるし、どれほど上手いプレイヤーであってもそのことは変わりはない。
そういう優れたプレイヤーは、プレイを仕掛ける前に相手がとのようなミスを犯すたろうかを特定出来ている。そのようなミスが起きるのは通常フロップが開かれた後だ。つまり上手いプレイヤーがハンドを数多くプレイするのは、相手がそうしたミスを犯してくれるであろうホストフロップという状況を出来るだけ数多く作り出すためなのである。彼らはホストフロップで優位な状況を作り出すことで弱みを相殺出来るのであれば、プリフロップで手が弱くても構わないと考えているのである。
つまり大事なポイントはルースにプレイすることそのものではない。大切なのは相手のミスとそれに合わせた修正の部分なのだ。もしそのミスがものすごく大きなものであるならば、その全てにつけ込んでいくためにルースなプレイも許されるというわけだ。
簡単な例を1つ挙げよう。君はブラインドスティールが大好きな相手とぶつかっているとする。彼はボタンにいるときは、どんな手であってもレイズする。もしコールされてフロップでチェックされたら、ほぼ毎回べットする。だがそのフロップベットを打った後は、ひどい手はたいてい諦めて降りる傾向にある。
もしあるプレイヤーがプリフロップはほぼ毎ハンドレイズしてフロップでもほとんど全てべットするのだとしたら、その時彼が持っているのは大半が弱い手のはずだ。だからこの弱点につけ込むためには、君は広いレンジ (幅) の手でフロップにチェックレイズを仕掛けるか、チェックコールしておいてターンかリバーでべットしていけばいい。
ABCポーカーでノーリミットホールデムをプレイしている人は、スティールに対してブラインドを滅多に守りにいかない。アウトオブポジションからのプレイは不利なので、こういうプレイヤーは微妙な場面ではプリフロップてフォールドするのである。
たが君ならばこういうアグレッシブなブラインドスティール狙いにもっと上手く対処出来る。コールするハンドを増やして、フロップでチェックレイズを頻繁に仕掛けるのだ。これこそがある過ちを継続的に犯し続けるプレイヤーに対するエクスプロイト (つけ込み) 型の修正なのである。
これと同じエクスプロイト型修正をプリフロップてコールするハンドを増やさずに行うことも出来ないことはない。プリフロップのコールレンジはタイトなままにするが、フロップで自分の手がミスしたときでもチェックレイズを増やしていけばいいのである。
でもそれなら、何故そんな風に自分の手を絞る必要があるのたろう? もしエア (全く手役の出来ていない屑手) でチェックレイズして利益を出せるのてあれば、どうしてプレイするハンドを増やしてはいけないのだろう? その方が勝率が上がるではないか。
今の話から分かるように、君がプレイするハンドを増やすのは、増やすことそれ自体が目的なわけではない。そうではなく、まず君がやるべき事は相手のミスを特定することだ。ミスによってはそこにつけ込もうとしたらショウダウンでそれなりの手を持っていなくてはならないものもある。
一方でそれ以外に、こちらがどんな手であろうとつけ込めるミスもある。どんな手でもつけ込めるようなミスに対しては、プレイする手をルースに緩めていけば、君の勝率を大きく跳ね上げることにつながるであろう。
この話の教訓はいったい何か? 僕の思うにそれはこういうことだ。焦点を当てるべきはどれほどタイトにプレイすべきか、あるいはどれほとルースにプレイすべきかではない。ルースにプレイすることそれ自体を目的にすることは勝利へのレシピではない。他にもっと良いやり方があるはずだというだけの理由でABCプレイを見限ってはならないのである。
それより焦点を当てていくべきは自分のプレイを1つ1つ着実に改善しようというその姿勢だ。まずはレギュラーの対戦相手が継続的に犯し続けているミスを1つでいいから見つけ出す。見つけたらそのミスにどうやればつけ込めるかを考える。それが出来たら、君が編み出したカウンタープレイを可能な限り頻繁に繰り出していけばいい。それが出来たら同し事をまた繰り返す。相手が犯している別のミスを見つけ出す。そしてどうやったらそれにつけ込めるかを考える。それが考えついたら出来るだけたくさんそのカウンタープレイを繰り出していく。
あとはそれの繰り返しだ。何度も何度も。君が今用いている戦略を全面的に見直そうとはしてはならない。もし君が今ABCポーカーをプレイしているのなら、そのままでいい。ABCポーカーはスタート地点として良く出来た勝てるプレイだ。君のプレイに、先ほど話したようなエクスプロイト型プレイのチャンスを見つけ出してはそれを実行しながら、少しずつ繰り返し微調整を加えていけばいい。
これは漸進的なプロセスだ。そしてこれこそが君が卓越したポーカープレイヤーになるためにたどるべき道なのだ。相手の間違ったプレイを見つけ出してそれにつけ込んでいこう。より多くのミスを見つけ出して、より頻繁につけ込んていくほど、君の稼げる金も増えていくに違いない。
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